大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)832 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人鹿士源太郎及び被告人B同Aの弁護人島田清の各上告趣意は後

記のとおりであつて、当裁判所はこれに対し次のとおり判断する。

弁護人鹿士源太郎の上告趣意第一について。

所論は被告人の唯一の自白によつて本件犯罪事実を認定した原判決の違憲を主張

するに帰着するが、当該審級における公判廷の被告人の自白が憲法三八条三項にい

わゆる本人の自白に当らないことは当裁判所屡次の判例とするところであつて(昭

和二三年(れ)第一六八号同年七月二九日大法廷判決、昭和二三年(れ)第四五四

号同二四年四月六日大法廷判決、昭和二六年(れ)第二四九五号同二七年六月二五

日大法廷判決等参照)原判決は原審公判廷における被告人の自白によつて第一審判

決が認定したと同一の事実を認定した趣旨であると解するのが相当であるから(昭

和二六年(れ)第一一六七号同二七年五月二二日第一小法廷判決参照)原判決には

所論のような違憲の廉はなく論旨は理由がない。

同第二について。

原判決の判示が旧刑事訴訟法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関す

る規則(昭和二五年最高裁判所規則第三〇号)六条によつたものであることは所論

のとおりである。しかし右規則六条が憲法三八条三項に違反しないことは当裁判所

の判例とするところであり(昭和二六年(れ)第一一七一号同年一〇月二五日第一

小法廷判決参照)原判決が原審公判廷における被告人の自白によつて事実を認定し

た趣旨であること前叙のとおりであるから原判決は所論のように憲法三八条三項及

び判例に違反することはなく論旨は採用し難い。

弁護人島田清の上告趣意第一点について。

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しかし原判決は原審公判廷における被告人の自白を証拠とした趣旨であること前

に説明したとおりであるから所論違憲の主張は前提を欠くものといわなければなら

ない。

同第二点について。

前記弁護人鹿士源太郎の上告趣意第一及び第二ついて示した判断をすべてここに

引用する。

なお記録を調べたが刑訴四一一条を適用すべき事由があるものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は憲法三八条三項にいわゆる本人の自白の解釈に関する井上裁判官の反

対意見(前掲当裁判所大法廷判決中の同裁判官所述の意見引用)を除き他の裁判官

一致の意見である。

昭和二九年四月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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